桑野博喜氏
東北大学大学院工学研究科教授
(プロジェクトコーディネーター)
MEMSの可能性に気づき、実感できる「場」を提供する
現時点で国内のMEMS技術者は多く見積もっても1000人程度でしょう。半導体技術者に比べて圧倒的に少ない。今後日本がこの分野でリードしていくには、まず企業の方々にMEMSについてもっと知っていただかないといけません。MEMSを自社製品に組み込むことで商品価値を高めることができるなど、応用の可能性に気づいてもらう必要があります。
自動車や携帯電話に代表されるように、産業界はMEMS的な考え方やMEMS的な部品を積極的に取り入れる時期に来ています。そうしなければ生き残れません。そのような中、我々にできることは、MEMS技術に触れ、理解し、応用の可能性を探るチャンスを増やすことです。「このカリキュラムを受講すれば、MEMSの何たるかがわかります」と門戸を開くことです。そうすれば、MEMSを必要とする企業が関心を持ち、飛躍的に大きなマーケットに成長するでしょう。われわれと協力関係にある「MEMSパークコンソーシアム」にはすでに100社以上の企業が参加しております。この後はさらに関係を密にし、プロジェクトの開発に取り組んでいきます。
目標とする人材は、自社製品の全体像をつかみ、どの製品にMEMSを使えばよいのか的確に判断できるリーダー的な技術者。MEMSは既存の製品に組み込んで使う部品ですから、全体を俯瞰的に見ることができる人材が必要不可欠です。
趣旨
「ものづくり」の基盤技術としてMEMSが注目されているが、開発には電気、機械、光、材料など幅広い分野の知識と豊富な経験が必要とされており、一企業内だけでの人材育成は容易ではない。当地域は東北大学等の先端研究拠点があり、また仙台市泉地域を中心に半導体関連企業、電気機械製造企業等が集積しているため、MEMS関連産業としての拠点性が高く、MEMS開発人材を特に必要としている。本プロジェクトでは、既存産業の高付加価値化、競争力強化のため、MEMS技術全般を体系的に習得した人材を産学官連携で育成する。